1. 14
    Jun

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    帰ってきた「はやぶさ」は、再突入回廊ではなく、より深い降下角度で大気圏に再突入する。
    帰ってきた「はやぶさ」は、断熱圧縮による空力加熱で、真っ赤な軌跡を描く紅蓮の火の玉となり、轟音とともにダイオードひとつ残さず燃え尽きる。
    燃え尽きた「はやぶさ」は、ゆっくりと成層圏に拡散する。
    燃え尽きた「はやぶさ」は、高度13kmでジェット気流に乗り、天空を駆け廻る。
    空を廻った「はやぶさ」は、高度6kmで乱層雲と出会う。
    空を廻った「はやぶさ」は、昇華核として飽和水蒸気を集め、氷晶となり雪片となる。
    雪になった「はやぶさ」は、ひらはらひらりと舞い降りる。
    雪になった「はやぶさ」は、途中で融けて雨になる。
    だから。

    ある朝玄関を出たお前の肩先に落ちる一滴の雨粒、それが「はやぶさ」だ。

    "

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